『分からない事が分からない② 』

『分からない事が分からない② 』

  (今回の高田馬場校は前月レターの続きとなっております。初めてご覧いただいた方は、せっかくですから是非とも前月分から通してお読みになって下さい。)

寒さがひとしお身にしみる頃となりました。

「分からない事が分からない」は果たして良いのか悪いのか。
これが前回の内容です。ここで、話はちょっと逸れますが、教育現場における「問題と答えの関係性」に着目してみましょう。
大まかに次のように分けることが出来ると思います。
【小学校・中学校・高校】
問題は与えられている。そして、答えは用意されている。
【大学】
問題は与えられている。そして、答えは用意されていない(自分で探す、考える)。
【実社会】
問題は自ら発見しなければならない。そして、答えはひとつではない(無数にある)。(※一般的に、高学歴の方が陥りやすい穴がここに潜んでいます!)
    さて、前月レターの続きです。

大学教授(以下、B先生)が、ある経営コンサルタントの方(以下、Kさん)を賞賛した理由です。ちなみにB先生は経営学の先生です。

B先生は、「君は素晴らしい(優秀な)学生だ。握手をしてほしい」と言って、次のように続けました。

B先生「経営(ビジネス)で大事なことは、何が問題なのかを考える事なのですよ。特にリーダーに求められるのは、解決する力に加えて、”何が問題か”を発見する力です。それは経営に限らず、学問や実社会でも同じで、私はそれを教えたい。だから、”何が問題なのか”に直面しているあなた(Kさん)は、まさに一流への道を歩き始めた事になります」

現実社会で必要なのは、「①問題解決能力」と「②問題発見能力」の二つであるという見方です。今の教育の在り方から察するに、一般的に高学歴の方は「①問題解決能力」のトレーニングは人並み以上に経験しています。しかし、リーダーに必要とされる能力はもう一つ(「②問題発見能力」)あり、それは従来の学歴競争では経験する機会があまりない傾向にあるようです。これが、前述の” 高学歴の方が陥りやすい穴”の正体です。

B先生は、生徒たちに「②問題発見能力」を身に付けさせようとしていたのです。
「何が問題なのか分からない」と質問する事は、すなわち「②問題発見能力」を養うステージに上がったことを示しており、B先生はそのことを称賛しました。
(ちなみに、その後、Kさんは上位2%以内に入るほどの好成績で大学を卒業されたとのこと)

「何が分からないのか分からない」と私に質問した生徒。私がこのレターを書いている間、何変わらぬ時間を過ごしていることでしょう。私はそのように生徒が何気なく発した言葉や仕草から、「お?ひょっとすると、この子は大きく伸びるかもしれないぞ」などと思いを巡らせる事を密かな楽しみにしています。

二回のレターに及ぶ長編となりましたが、今回は「私が生徒から教わった事」のうちの一つを書かせて頂きました。

 

無料体験のお申込み 電話で問い合わせ