『ブレイクスルー』
前回は、スランプについてお話ししましたが、今回もそれに続く内容です。
受験生との面談をこの時期行っていると、決まって受験生から出てくる相談事があります。
「何だか、自分が合格できるような気がしないんです」
「自分に力がついたかどうか、実感が湧かないんです」
「やってもやっても、自分が進歩しているように感じられないんです」
夏期講習や夏季合宿から固めてきた基礎力が、そろそろ目に見える形で現れる頃です。
但し、それがいつ現れるのかは、正直誰にもわかりません。
指導する立場としては、ここが一番もどかしい点です。
それは、ある日突然訪れます。
「ああ、そういうことか!」
「何だか視界が一気に開けた感じがする!」
「先生!私、行けます!!」
頭の中に蓄積された情報が、唐突に、つながりあう瞬間。
頭の中で、新たなネットワークが構築される瞬間です。
つながりあった知識や情報を辿っていくと、やがて全体像が見えてきます。
そう。勉強をしていて、目の前に立ちふさがっていた壁を突き抜ける感覚(ブレイクスルー)に陥った時、それは頭の中で学んできたことの全体像が見えた瞬間でもあります。
このブレイクスルーを経験した後、自分自身の成長が実感できるのです。
この感覚を味わえば、あとは心配いりません。入試本番まで突っ走るのみです。
人によっては、入試本番までの間に2~3回、こうした「ブレイクスルー」を経験する人もいます。
また、大きな「ブレイクスルー」を一回体験する人もいれば、小さな「ブレイクスルー」を数回体験する人もいます。
程度の差はそれぞれですが、共通して言えることは、そこに至るまでに積み重ねの継続が必要であるという事。
なかなか成果が出なくて、心が折れそうになっても、這ってでも一歩前へ、一歩前へ進み続ける。
その先に、かならず「ブレイクスルー」はやってきます。
そして、合格していった先輩たちの多くは、この「ブレイクスルー」を通過しています。
まだまだこれからです。
もうすぐ先にある“その瞬間”に向けて、今日という一日を重ねていってください。
応援しています。