『2016年 盛夏(8月号)』

『2016年 盛夏(8月号)』

稲門学舎、毎年夏におこなわれる二大イベントのひとつ「夏期特訓合宿」が、8月12日から8月16日までの4泊5日で開催されました。この合宿の1時限目は、朝6時半。食事と入浴の時間を含め、すべて終了するのが夜10時半です。休み時間をはさんで、50分授業が1日12コマという、非常に過酷なスケジュールにも関わらず、参加した生徒はみな目標を達成して帰っていきます。参加した50名の中には、朝5時からの「早朝特訓」や、夜10時半以降の「深夜特訓」を自主的におこなう強者(つわもの)の姿も…。

スマホもテレビもゲームもお菓子もない。もちろん、甲子園もオリンピックも観られません。勉強の邪魔をする誘惑からは一切シャットアウトされた環境。それが、特訓合宿ならではの非日常空間です。家にいても結局ダラダラしてしまう。そういった子たちも、なぜかこの合宿に来て勉強すると、集中して机に向かうようになる。やらざるを得ない環境に自分の身を持っていくことに意義があるのですね。

合宿に来ると私は毎回、「精神と時の部屋」(※参照:『ドラゴンボール』)を思い出します。真っ白で何も無い世界。時間の流れが外界とは違い、外界での1日が、この部屋の中では1年(365日)に相当する。短期間でパワーアップできる、修行に最適な環境。まさに稲門学舎の合宿と同じ…!合宿中のたった5日間で、3ヶ月~4ヶ月分くらいの課題をこなして帰るわけですから、驚きです。

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さて、私がこの合宿で立てた目標は、とにかく「楽しむこと」でした。つまらないことを面白い人と一緒にやるか、面白いことをつまらない人と一緒にやるか。両者を天秤にかけた場合、前者のほうが圧倒的に“楽しい”はずです。勉強とは本来、楽しいものであるべきだと私は思います。苦行でもなんでもなく、あくまで自分の未来やチャンスをつかむための手段。であれば、“やらされ感”満載の作業としてとらえるのではなく、ゲーム感覚で楽しんだ者勝ちです。どうしたら勉強を楽しめるようになるかということを念頭に置いて、5日間/52時間耐久レースをリードしました。

すると、変化が訪れます。
最初の2日間は、壁にぶちあたると「先生、この問題を教えてください」とすぐに答えを求めていた生徒。そんな子も、3日目あたりからは、こちらが手を差し伸べようとしても「いや、まだ大丈夫です。もうちょっと考えてみます」と、自分の力で何とか切り抜けようとします。さらに、集合時間ギリギリまで寝ていた子が、早朝4時50分に起きて、シーンとした教室で勉強を始めます。こういった事は、日常生活で実行しようとしても簡単にはできません。それを可能にするのが、合宿なのです。楽しいだけではダメ。楽しさと厳しさのバランスが大事なのです。

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合宿最終日の閉会式の最中。荘厳な雰囲気の中、“夕方の”4時50分に「ピピピッ」と目覚まし時計がふたつ鳴っていました。

稲門学舎 板橋校
根本 渉

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