『2016年 初秋(9月号)』

『2016年 初秋(9月号)』

先月8月は、稲門学舎で毎年夏におこなわれる二大イベント「夏期個別講習」と「夏季特訓合宿」がありました。世間では、4年に一度のビッグ・イベント「リオ五輪」や、甲子園での「高校野球」の真最中です。私は、朝は5時起床、夜は11時には就寝という生活リズムを保って講習・合宿に専念していたため、この夏はリアルタイムで観たスポーツの記憶が、ほとんどありません。生徒だけではなく、われわれ教師も、集中して没頭する時期が必要であることを、あらためて考えさせられました。

オリンピックといえば、私が注目していたのは、シンクロの井村雅代コーチです。井村コーチの練習計画は、ゴールからの逆算で立てていくのですが、そのときに一番重要なのが「自分たちの目指すゴールが、どれだけ明確に見えているか」だと言います。本番は8月。したがって5月までには全員の動きを揃えるために、3ヶ月前までは粘りに粘って精度を上げなければならない。しかしながら、6月になると、10日に一度だったオフが週1日になって、テーパー期(調整期)に入り、練習量を落とす。体力を温存し、それから先はまとめの段階に入るそうです。大会直前が一番しんどいのかと思いきや、忙しさのピークは3ヶ月前。これを聞いて私は、中間・期末テストや、受験も同じだと思いました。

たとえば、中間テストが10月5日からの場合、2週間前の9月21日には、目標の90%くらいの完成度まで仕上げておく必要があります。テスト範囲のプリントが配られるのが、テストの2~3週間前なのですが、その範囲表を見てからテスト勉強を始めるのでは、実は手遅れなのです。テスト範囲が発表された時点で90%仕上げておいて、そこから先の本番までの2週間は、まさにテーパー期。他の科目とのバランスを調整しながら、課題の量を減らし、まとめに入る。

私は生徒のみなさんから「めちゃくちゃ宿題が多い」ことで知られています。ただし、テストが近づくにつれて、井村コーチ同様に、練習量を減らします。もっとも、“減る”と言っても元々の量が半端なく多いので、相対的に減ったように見えても絶対的な量は多いことに変わりはないのですが…。それでも、その量が減ったように感じるのは、日頃からハードなトレーニングをしているからであり、そういった子たちは必ずと言って良いほど、自分が掲げた目標の点数をクリアしていくのです。その場しのぎの一夜漬けでは、試合には出場できても、表彰台に立つことはできません。

さて、来月の中間テストでは、“金メダル”は何個になるでしょうか。

稲門学舎 板橋校
    根本 渉

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