『勉強とは何のためにするものですか? 』

『勉強とは何のためにするものですか? 』

 

 

先日、中学2年生の塾生の一人が、数学の定期テストで100点を取りました。
前回のテストより20点以上もアップしており大躍進!計算ミスがなかなか無くせなかったその生徒にとって、ひとつもミスなく全問正解できたことは賞賛に値します。
ところが、その労をねぎらう私の言葉とは裏腹に、その生徒はこう言うのです。
「100点は取ったけど、自信が持てない」と。これは一体どういう心境を表しているのでしょうか。

話は変わりますが、最近、体操世界選手権で日本代表の内村航平選手が、個人総合5連覇を成し遂げた事は記憶に新しい出来事です。その輝かしき成績は、彼が全ての種目でミスなく美しく、最高峰の演技をしたことを意味しています。ポイントはそれを5回連続で達成しているという点です。ここが、内村選手が“一流”であることを証明しています。

一流であるとは、“勝ち続けられること”に等しいと言えます。
勝負は一回きり勝つよりも、勝ち続ける事の方が何倍も難しいという事です。一度の勝利の後に待ち受ける“次も勝てるか”というプレッシャーに競り勝って初めて一流です。

話を戻します。そうです、上記生徒は、「果たして、次のテストでも結果を残せるか?」について悩んでいたのです。それに対して、私は次のように返答しました。

「100点を取ったことは本当に素晴らしい。でも、今回の結果は、何かを達成した事を意味するのではなくて、一流になるためのスタートラインに上がったことを意味するんだ。今はまだ、見晴らしの良い階段の踊り場に辿り着いただけで、駆け上がっている最中なんだ。次の結果は、プレッシャーを乗り越えた向こう側にある。だから、これまで以上に気を引き締めて、次回のテストに備えるように!」

生徒は、納得してくれた様子でした。最高の結果の後に、従来感じた事のないプレッシャーが待ち受けていたのが想定外で動揺していたのでしょう。

もし上記生徒が次回も数学で結果を残せれば、次は英語でも、その次は国語でも…とさらなるハードルが課されるでしょう。しかし、これを読んでいる稲門学舎の生徒の皆さん、ハードルが上っていく(増えていく)ことを恐れてはいけません。大人になって待ち受けているのは、ハードルを越えることでしか新たな道は拓かれないという“シンプルな現実”です。

「勉強とは何のためにするものですか?」
その質問に対して、私は次のように答えさせて頂きます。
 
『自立してから待ち受ける現実に備えて、道を切り拓く修練を積む
 
手段、それが勉強です』

入試本番まで残り数か月となった今年の受験生は、来春に控える現実をその手で切り拓いていって下さい。

 

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