『ありがとう』
3月27日から始まった『2013春期個別講習』が、4月4日をもって終了し、息つく暇もなく新学期を迎えました。4月は、新生活のスタート。そして、出会いの季節です。新入生はもちろん、わたしたちが一緒に働く教師も、フレッシュな仲間が加わりました。教職員を指導・監督する立場である私自身も、彼らの初々しい姿を見て学ぶべきことが沢山あり、新たな出会いがあるたびに、初心に返ることができます。
個別指導塾 稲門学舎王子校では、新人教師が赴任すると必ず歓迎会を開催するのですが、受け入れる側は、いつも決まって「自分が入社したばかりの頃を思い出してみよう」と伝えます。つまり、自分がしてもらって嬉しかったことを、同じように後輩にもしてあげることによって、職場全体の雰囲気を盛り上げようというわけです。私は、そういった“絆”を大切にしています。
教育も、そうではないでしょうか。わたしたち教師が、生徒を指導する際に意識しているのは、「自分自身が今まで教わった先生の中で、分かりやすかった先生をイメージする」ということ。それと同じことをいま目の前にいる生徒にも教えてあげよう、と。そんな折に、よく思い出すのは、中学生の頃の数学の先生です。“分かりやすさ”の一方で、その先生から課されることは、非常に“決め事”が多かったというのが、非常に印象的でした。
1.ノートは教材ごとに分ける
2.与式を書く、途中式を省略しない
3.途中式は横に伸ばさない、縦に展開する
4.図はノートに描く、教材には書き込まない
5.定規は使わずに、図はフリーハンドで大きく描く
6.間違えても消しゴムで消さない、赤ペンで修正する
7.bと6、lと1、qと9、zと2を混同しない、筆記体で書く
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etc.
かなり細かいルールでしたが、むしろそういった制約が多かったからこそ、その分集中力も高まったのではないかと思います。それくらい細かいところまで見てあげて、初めて成果があらわれるのだと、今まさに実感しているところです。職業柄、学生時代の恩師を思い浮かべる機会は数多くありますが、何年経っても、「○○先生のおかげです」と自信を持って言える出会いに感謝するとともに、私自身が体験してきた素晴らしい教育を、いまの子どもたちにも伝承していくことが、わたしたち使命だと考えています。
また、もうひとつ教育と言えば忘れてはならないのが、両親からの教育です。もう既に引退していますが、当時は仕事で多忙を極める父。そんな父を支えつつ、子どもに干渉しすぎず、放ったらかしにもしない母。いま思えば、それは絶妙な距離感でした。4月は、そんな母の誕生日でもあります。毎月この『室長レター』を楽しみにしてくれているので、この場をお借りして、感謝申し上げたいと思います。あの時、元気に産んでくれてありがとう!(笑)