『「勉強」から学び取ってほしいこと』
9月も半分終わりましたが、厳しい残暑が続いています。
夏期講習を終え、多くの生徒たちはいろいろな結果や成果を私に見せてくれています。
ただ、講習中は頑張っていたのに、学校が始まってからペースが乱れてしまった生徒や、「文化祭の準備で一気に勉強ができなくなってしまった!」と嘆く生徒もいます。
この問題は、毎年直面する問題で、その度に伝えている私の言葉は、ここ数年間ずっと変わっていません。
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「自分の受験、自分の人生です。『自分はあの時、文化祭の準備で勉強できなかったから、失敗した。』、『クラスメイトの○○が自分を文化祭の実行委員会に選んだことが、ダメだったんだ。』とか、学校や他人のせいにして、自分の受験を終えていいのか?昨日、勉強できなくて失敗したと思ったら、今日・明日で昨日の分を取り返す計画を立てて実行すればよいだけだ。全ては自分次第なんだ!」
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「文化祭などの学校の行事を避けて通れ」と言いたいわけではありません。「何事も自分で決める。決めたからには、その責任をとってほしい。」と伝えたいのです。それで、文化祭の準備をしっかりやって充実させると決めたのであれば、その分削られた勉強時間をどう補うか、どう捻出するかをしっかり自分で考えればよいだけなのですが…。それを生徒達はなかなか実行できません。なぜなら、文化祭の準備というものは、偏見かもしれませんが、その多くが“生徒だけでダラダラ行われ、そのダラダラ感が楽しい”という部分もあるからです。受験生と言えども、周囲がそういう雰囲気の時に、流されず、自分の計画通り下校して塾に来ることは相当困難なはずです。でも、それを出来るか出来ないかが勝敗を決めてしまいます。
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冷静に考えれば当たり前のことなのです。自分が企業の採用担当者だった場合、周囲に流されず、決めた目標(志望校合格)達成のために、困難なことを実行できる人を選びます。そういう人と一緒に仕事をしたいからです。上位大学を狙っている高3受験生は、この9月で基礎学力をガッチリ固めておかないと、10月からの志望校の過去問のやり込みに出遅れます。上位の高校を狙っている中3受験生は、2学期の内申点が受験で使う数値になりますから、2学期の定期テストが勝負なのです。中学受験の6年生は、夏の頑張りをどう維持できるかが秋・冬の伸びを決めます。
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私が伝えたいのは、各教科の勉強内容よりも、勉強に取り組む姿勢・受験への意識の高め方なのです。もっと具体的に言うと、「自分で考え、自分で目標を決めて、それを達成する勉強計画を立てて、実行する。壁にぶつかれば計画を修正・改善して、更に実行していく。」という社会人になっても役立つ思考プロセスなのです。このプロセスを身につけた人は、小さい失敗を人生経験として積み上げ、成長し続けられるからです。