『できない!をより具体的にすること』
もう年末の足音が聞こえてくる季節になりました。今年最後のテストに備え、稲門学舎日暮里校では生徒も講師も一丸となって、それぞれの課題に必死に取り組んでいるところです。 先月は、日暮里校に10名を超える新しい仲間が加わりました。今回は、その中の1人、R君について書かせていただきます。
雨の降る木曜日の夕方に、公立中学生のR君とお母さんはいらっしゃいました。会員ではない方から稲門学舎のウワサを聞き、話を聞きに来て下さったとのことでした(感謝)。
お母様曰く『小学生の頃から勉強が苦手で、中学入ってからでは遅いのではと思い、実は小学校の5年生から家庭教師をつけたのですけど、中学2年になっても英・数・理は赤点ばかりなのです。これでは意味がないと思って家庭教師をやめて、私が教え始めたのですが…。でも、毎回ケンカになっちゃって…。それで私も悩んでしまって…。』 お母さんの話を、隣で寂しそうに聞いているR君の顔が、とても気になりました。
一番苦手な数学でK先生の無料体験授業を受け、R君の入塾が決まりましたが、私には何かがひっかかっておりました。そこで私はお母さまに『有料になるのですが、一度、私で英語の授業をさせて下さい。』と不躾なお願いをし、お母様より快諾を頂きました。 授業中のR君は、私の説明によく頷いてくれます。 ただ、似たような問題を間違えます。そこで、もう1度確認します。理解はしてくれています。しかし、違う問題に行くとペンが止まります…。 おそらく、この様子を見れば「なんで出来ないの?」と多くの教師が疑問に思うことでしょう。お母様も同様であったと思います。しかし、これは、「パターン化して物事を考える」つまり、問題を分類する作業にR君は
慣れていないのだなと思ったのです。 私は同じB4プリントを90分の授業でR君に3回やってもらいました。3回目でも満点は取れませんでした。しかし、私はその3枚を並べてこう伝えました。 「たった90分でこれだけ○が増えたんだよ。つまり、繰り返せば出来るようになるってこと。次のテストまでは何百時間もある。今日のように努力すれば、自分がどれだけ勉強できるようになるか、ワクワクしてこない?」 R君の目が少しだけ輝いたのがわかりました。そして、同じプリントを5枚持って帰りました。その日の授業の後、R君は帰宅してお母さんに言ったそうです。「お母さん、すごいよ。僕、出来るようになったよ。」と。 今、R君は、週2回の授業&スタサタ&自習で、週に10時間、日暮里校で勉強しています。R君の努力は、私達講師だけでなく、お母様にも褒めてもらえるようになったことでしょう。そして、それこそが、Rくんの何よりの活力になっているのだと私は確信しています。