『個性とは』
個性って何でしょう?
人には様々な個性があると世間ではよく言われます。
英語が話せたり、スポーツが得意だったり、楽器が弾けたり、○○のモノマネができるなどといった特技があることは個性の一つであるといえると思います。または、友だちが沢山いる、ツイッターで何百人何千人からフォローされている、なんていうのも個性だと思います。
ただ、今挙げた例は、どちらかというと胸を張って「これが私の個性だ」と主張できそうなものです。「あなたの個性は何?」と聞かれてすぐ答えられる人の方がどちらかといえば少数派だと思います。長所も個性だし、短所も個性です。まだ自信を持って答えられる長所が見当たらない子にとって、その質問に答えることはなかなか難しいですよね。
一方で、『私には何の個性もないんです』という言葉もよく聞きます。それも、王子校に通っている生徒たちからよく聞きます。私は、入塾して私たちと言葉を重ねていたらその積み重ねから彼らの個性を感じています。個々人の性格はもちろん、将来の目標、他人との距離感の取り方、好きなことや嫌いなことまで全て個性です。
塾なので、勉強を通じて生徒たちの個性を見ているのですが、問題に答えようとする姿勢や工夫に個々の個性が表れます。勉強をしている今現在に表れるのです。なので、個性がない生徒なんていません。私たちが日々どうやって勉強させようか、様々な思考をめぐらせるのは目の前にいる生徒の個性なのです。
そんな中、いつも何か一つ面白そうなこと、見る人を楽しませようとすることを答えに盛り込もうとする生徒が、先日こんな質問をしてきました。
『僕の個性って、将来どう活かせるんですかね?』
なかなか難しい問題です。
彼の個性が、将来の職業を決定するとは必ずしもいえません。
正義感が強かったら警察官にしかなれないという訳でもないですし、人を楽しませる人は必ずコメディアンにならなければいけないわけでもありません。まずは世の中にどのような職業があるのか知らなければいけませんし、新しい仕事を生み出すことだって可能なんです。そのために必要なのは「学ぶこと」だ、と彼には答えました。
自分なりに楽しく勉強しようと工夫を繰り返しているならば、その努力はやがて必ず将来実を結ぶはずだと私は信じます。