『先生にとっての稲門学舎』
今回は、稲門学舎で指導しているK先生のエピソードです。
彼女は高田馬場校で指導を始めて間もなく、熱心な指導とアメリカ仕込みの流暢な英語力から、瞬く間に生徒たちから支持を得ました。そんな彼女が今春に就職活動を迎えます。3月ごろからはプレッシャーのかかった様子で、その動向を見守る日々が続きました。
4月ごろだったか、志望業界の選考がスタートしたのでしょう。教室で私から彼女に声を掛けたときにこんな会話をしました。
中村「K先生、就職活動の様子はどうですか?」
K先生「順調です。ただ、筆記試験(SPI)において理系分野に少し手を焼いていまして・・・」
中村「そうですか・・・。では、高田馬場校の理系専門の先生に相談してみます。もしかしたら何かアドバイスしてくれるかもしれません」
そこで、私の中でアドバイザーとして浮かんだのが、指導経験豊富な理系のM先生でした。すぐにM先生に電話をかけ、「K先生の就活における筆記試験のアドバイスをお願いしたいと思っています。試験問題を見てもらって、少しコツを教えて頂けませんか?」とお願いしたところ、M先生は「はい、わかりました!」と快く承諾してくれました。
数日後、教室でK先生に聞きました。「M先生から連絡はありました?」
すると、「ありました。とても分かりやすく教えて頂きました。ありがとうございました!」との返答でした。
M先生の尽力の甲斐もあって、K先生は希望していた業界3社の筆記試験に全て通過しました。そしてその3社の中から内定を頂き、無事に就職活動を終えたのでした。アドバイザーのM先生もほっとしていました。
ここで申し上げたいのは、稲門学舎の存在意義です。
稲門学舎が生徒にとって学び舎であることは言うまでもありませんが、稲門学舎のポテンシャルはそれに留まらないものを秘めています。先生方にとって稲門学舎は職場です。しかし、たかが職場されど職場、同僚となったのも何かの縁、顔見知り以上の関係に発展することもあってもよいでしょう。先生同士が、職場の外でも時に助け励ましあい、さらには卒業した後も仲間でいる、そんな職場を目指して参りました。稲門学舎は、先生にとっても学び舎です。彼らが社会の入り口を体験し、気づき、発見し、将来を切り拓くきっかけを得る。今回のような事例が続けば、ひょっとして先生たちの間でこんな評判が飛び交う日は来ないでしょうか。
『稲門学舎は普段めぐりあえない仲間と切磋琢磨できて、将来をつかむきっかけを得られるらしい』
私は教師の採用面接の際、「自分の学業や将来に責任を持てない人に、生徒をお任せすることはできません」と言い続けてきました。稲門学舎で教師をやる以上は、彼ら自身の将来も切り拓いてもらいたいのです。それが、同時に生徒たちに背中を見せることにもなるからです。
今回はある先生のエピソードから、稲門学舎が担うもう一つの一面を描きました。