『稲門は街の歴史とともに』
春の訪れが待ち遠しいこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
受験シーズンも終盤、残すところは都立高一般と国立大二次のみとなりました。
最近、地域人としての自覚が磨かれる良い出会いに恵まれました。
最近入塾された小学生のMさん(仮)についてご紹介させていただきます。低学年のMさんは塾に通うことが初めてです。初めての体験授業では怖くて泣いてしまって、お母さんと一緒に体験授業を受けていましたね。次に教室に来たときは「お母さんと一緒じゃなくてもいい!」と言って、一人で授業を受けることが出来ました。
Mさんが稲門に問い合わせたきっかけは、保護者様が10年以上前に稲門学舎の生徒さんだったことです。
始めてご挨拶をしたときはMさんご本人の話もさることながら、保護者様が通っておられた当時の様子についても伺いました。すなわち私が入社するよりずっと前です。何せ、Mさんの保護者様は私と年齢が二つしか違わないのですから。この仕事をさせていただく中で多くの方とお付き合いをさせて頂いて参りましたが、私の方が保護者様より年上というのは今回が初めてになります。つい調子に乗って学生時代の流行のお話などをしてしまいましたが、保護者様はあまりご存じなかった(ご興味を示されなかった)ようで「余計なことを口にしてしまったな」と早速私は反省することになります。ただ、同世代としての共感のかわりに、別のものをいただくことになります。保護者様が校舎にお見えになる際、校舎付近で当塾の名物教師(斉院先生)とすれ違ったそうなのですが「あの先生知っています」とおっしゃってくださいました。長く稲門に勤める教師の過去と私を、時間を超えてつなげて頂けるお土産でした。
今回のエピソードを介して申し上げたいのは、親子二代に渡ってお付き合いさせて頂けることに特別なご縁を感じるということです。10年以上前の生徒さんが時間を超えて保護者様の立場になり舞い戻られました。稲門学舎がMさんご家族と何十年にも渡って共に歩ませて頂けることに対して、私は期待に胸を膨らませております。
今の日本社会にも見られる“世代ごとに分断”された現在と過去をMさんは結んでくださった訳ですが、それは地域と当塾が長年に渡り共生してきたことによってもたらされた恩恵であると捉えています。
今回のような、長く地域と共生した証であるようなご縁を今後も紡ぎ続けて参りたい所存でございますので、末永くご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。