『師弟関係』
新緑の季節となって来ました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
5月に入りゴールデンウィークを経て、新しい環境にも慣れてきた頃合いかと存じます。
王子校でも、4月より何名かの新しい教師が指導を始めております。彼らは大学生として学生生活を送る一方で、稲門学舎の教師として研鑽を積む日々を過ごしています。
そんな教師たちの中に、かつて生徒として通っていた山野口先生という教師がおります。つい先日、彼との会話の中でふと気づいたことがあったので、今回はその話をしたいと思います。
生徒時代は「寡黙な生徒」という印象だった山野口先生ですが、今はとても快活で礼儀正しい印象のある好青年へと変貌を遂げました。自分が進みたい進路(慶應大学法学部)に進めるかどうか、崖っぷちにいる時はそれは思いつめた表情をしておりました。進路が決まった時はまさに憑き物が取れたように晴れ晴れとしていたものです。
(参照:山野口先生の『合格体験記』https://staging.weg.jp/voice/high/voice-1960/)
そんな山野口先生と話しているとき、当時の彼を指導していた河西先生の話になりました。
山野口先生「河西先生は僕の師匠です」
師匠とか弟子というと少し時代がかったニュアンスが感じられますが、そこには単なる教師と生徒以上の強い信頼関係があるように思いました。
少し大げさな話になるかもしれませんが、人生の中で、『師匠』と呼べるような人に出会える機会はどのくらいあるでしょうか。子どもが家庭や学校以外で、信頼できる大人に出会える機会というのは限られています。山野口先生が何の衒いもなく河西先生を『師匠』と呼ぶ関係を見て、「いい出会いだったのだなぁ」と心打たれました。
稲門学舎は「勉強させる塾」です。首に縄を付けてでも勉強させるという訳ではないのですが、それでもやはり生徒を勉強へと向かわせるエネルギーが必要となります。そのエネルギーとは『師弟関係に基づく信頼』ではないかと私は考えます。生徒に課す宿題だったり、自習への呼びかけには「この先生が言うのだから間違いない」という信頼が生徒を後押しするのではないかと改めて考えさせられた次第です。