『アクティブ』
勉強で成果を上げている生徒と、仕事で実績を上げているビジネスマンとの間には、ある共通点が見られます。今回は、その「成功要因」とも言える共通点を、“2つのポイント”に絞って、考えてみたいと思います。
まず1つ目は、「うまくいっている人のやり方を、言われた通り再現できる“素直さ”がある」ということです。つまり、「自己流」ではなく、基本中の基本、いわゆる「定石」を大切にした行動が取れるのです。よくありがちなのは、自分のやり方に固執するあまり、結果、わざわざ遠回りしているパターン。せっかく高いポテンシャルを秘めているのに、実にもったいない話です。
つい最近、私が読んだ本(3年前くらいに出版されたもの)です。
『稼げる営業マンとダメ営業マンの習慣』(明日香出版社)
この本の中で、元トヨタホームでトップ営業マンだった著者は次のように述べています。
「稼げる営業マンは、仕事が忙しく時間がなくてもその中で時間を作り出し、すぐに実行します」
自分の考えや流儀はいったん脇に置いて、まずは教えに従ってやってみる。学生であれ、社会人であれ、自分の課題を素直に受け入れて実行できる人は、それができない人と比べると、成長する可能性は確実に高いと言えます。“自己チュー”と“無我夢中”は、似て非なるものです。(+o+)
次に2つ目は、「できない言い訳を考える前に、どうしたらできるかを考えている」ことです。私が王子校で勤務していた時期、2013年・12月号↓↓↓
https://staging.weg.jp/letter/letter-ouji-2013-12/ にも、同じようなことを書きましたが、こういった人は、思考の大前提として、「できるか?できないか?」ではなく、「やるか?やらないか?」という考え方をしています。
再び、前著の引用ですが、
「結果が出ていない人は言い訳ばかりで、実行しません。(中略)決まったことをやるか、やらないかが大きな結果の差となって現れます。言い訳をせず実行した人だけが成長し、結果を出し続けるのです」
こういった人は、自分の目標を達成するために「今の自分には何が足りないのか?」ということが分かっているので、限界を超えた“ハードワーク”も厭(いと)わないのでしょう。私が指導している生徒の例ですが、稲門学舎(トーモン)に入塾する前の1学期・期末テストで、数学が70点だった中学2年生のSさん。彼女は、今回の学年末テストで、見事に96点を取りました\(◎o◎)/!
次の目標は、
「9科・835点(平均93点)で、数学は100点!」
と宣言しています(^o^)
Sさんは、ほぼ毎日、トーモンに来て勉強していますが、テスト前になると、それ以外にも自宅で2~3時間は勉強していたそうです。「かんばれる体質」を持っている“ハードワーカー”は、自分が必死になってやった分だけ成果が上がることを知っているのです。
* * * * *
「教わる」vs「教えを乞(こ)う」
前者はパッシブ(受け身)ですが、後者はアクティブ(能動的)な姿勢です。定石を大切にする素直さにしても、目標を達成するためのハードワークにしても、能動的であることに違いはありません。「アクティブに実行することが、成果につながる」ということを、私は教え子にあらためて気づかされました。教える側の私たちオトナ(教師)が、生徒・子どもたちから学びを得る。これも、この仕事の醍醐味のひとつなのです。
根本 渉