『志望校』
例年この時期、私は入試を控えた生徒・保護者の方との面談を行っています。この時期の面談では、先ず現在の志望校の確認を行います。「自分がどの高校に一番行きたいか?」を確認しています。もちろん、夏休み前の面談でも、その時点での志望校を確認していますが、入試まで残り4か月のこの時期に再度確認を行っています。
模擬試験の結果を見て判断するのですが、夏休みの学習成果が表れ、学力が順調に上がってきている生徒は、夏休み前に掲げた志望校から、さらにレベルの高い上の高校に志望を変更することがあります。このケースでは、これまで順調に受験勉強が進み、学習方法が的確で、学習時間も十分確保されている状態と言えます。このような場合には、今までの流れを維持・継続していくようにアドバイスをしています。
また、別のケースでは、模試の結果を見ると、志望校に学力が近づいてきてはいるのですが、まだまだ志望校のレベルに学力が達していない場合や、志望校からまだ学力がかけ離れている場合があります。
このような場合に、生徒や保護者の方から、よくこんな質問を受けます。
「志望校のレベルを下げる方がいいでしょうか?」
「やっぱり、○○高校は無理だから、その下の△△高校にした方がいいですかね?」
これらの言葉は、保護者の方や生徒たちの不安から出てきた言葉なのかもしれません。きっと皆さん、自分の入試にとても不安に思っているのだと思います。
しかし実際のところ、志望校と生徒の学力が大幅にかけ離れていて、明らかにこの時期に志望校を下げたほうが良いというケースは、そう多くはありません。
「今の自分のレベル」に合わせて志望校を変えるのではなく、「その逆」なのだと私はいつもアドバイスをしています。
入試までの残り数か月、この時期に最も大切なことは、今は手の届かない目標に少しでも近づくために、「あらゆる努力を行うという意気込み」があるかないかということです。
例年の結果を見ていると、この時期に手の届かなかった志望校に、何としても受かりたいという強い意気込みがある人たちが、追い込みをかけ、大幅に成績を伸ばし、入試直前に合格ラインに達するケースを多く見てきました。彼らは決して志望校を下げるのではなく、自分の学力を必死に上げてきた人たちです。
私は、現在、志望校のレベルに届いていない生徒にこんな確認をします。自分の教科担当の先生からの指示を的確に守っているか、学習時間がしっかり確保できているかという質問をします。そして、自分の目標達成のためには、これらのことをもう一度見直してみることを提案しています。本当の意味での受験勉強は、ここからがスタートです。そして必死にこれらのことを行えば、必ず「自分のレベルを志望校のレベル」まで学力を上げることができると確信しています。
さぁ、受験生の皆さんに質問します。
「あなたが一番行きたい志望校はどこですか?」