『夢を与える』
後期中間テストが終わりました。中学3年生にとっては、内申点を上げる最後のチャンス。試験直前の1-2週間は連日、教室がほぼ満席になるくらい、生徒の皆さんは本当によく頑張っていたと思います。目標達成に向けての強い気持ち、勉強に対する本気の姿勢を感じることができました。答案が返ってくるのが、非常に楽しみです。
中間テストが終わると、【個人面談】の期間に突入です。3年生は受験前の重要なタイミングですから、保護者の皆様だけではなく生徒本人にも同席してもらう“三者面談”です。子どもの心の内を、親御さんにも聞いて頂く絶好の機会。今月・11月号は、その“三者面談”で私が掲げた2つのテーマについて、皆さんへのレターを書いてみました。
① 目標(志望校)を明確にする
入試本番の来年2月に向けて、勉強に対するモチベーション・やる気を維持させるものは何かと言えば、それは目標です。目標があるからこそ、頑張れる。目標があるからこそ、そこから逆算して今何をしなければならないかが見えてくる。日々の行動を変えていくために、自分の心に問うわけです。「自分が本当に行きたい高校はどこなのか?」「そのために、いま最優先しなければならないことは何なのか?」と。皆さんに共通して言えることは、まだまだやれる!もっと頑張れる!伸びしろは充分にある!ということです。私はどの生徒にも同じ質問をしました。「目標を高く掲げて、気合いを入れ直して勉強しますか?それとも、今のままゆったりしたペースで勉強を続けて、目標を下げますか?」親がいる手前、彼らは躊躇(ためら)いながらも、喜ばしいことに、後者の返答をした生徒はひとりもいませんでした。
② 残り3ヶ月間が勝負だと認識させる
10月・11月の模擬試験がD判定、いや、たとえE判定であったとしても、この局面で志望校を下げる必要は無いと、私は考えています。もちろん、現状から推察してあまりにも非現実的な志望校であれば再考を促しますが、子どもたちの可能性を狭めないためにも、「もっと偏差値が低い高校を選びなさい」とは、よほどのことがない限り言いません。11月から2月までの残り3ヶ月で見違えるほど成績が上がった生徒を、私はこれまでに何人も見てきました。どの高校に出願するかは、来年2月に最終決定すれば良いのです。残り3ヶ月間、必死で頑張ってみて、どうしても届きそうにない目標であれば、そこで初めて志望校のレベルを下げましょう。自分次第で未来を変えることは、誰だって可能ですから。
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面談でこういったやりとりを重ねていくうちに、必ず変化が現れる生徒がいます。
「やっぱり○○高校行きたいから
受験勉強がんばってみる!」
保護者が初めて耳にする“子どもの意思”に出会えるのも、三者面談の醍醐味と言えるのかもしれません。稲門学舎の【教師信条】には、このような一文があります。
長所を褒め伸ばし、夢を与える
今回の面談を通じて、ひとりでも多くの子に夢を与えることができていたとしたら、室長として、望外の喜びです。