『努力なくして不安なし』
前回ご紹介した「面談スペース」に、勉強の悩みを抱えた生徒たちが連日やってきます。
特にこの時期多いのは、受験生の悩み。
「志望校、下げた方がいいでしょうか」
「模試の結果が悪かったらどうしよう…。」
などなど。
不安な表情でその胸の内を吐き出す生徒たちを見ていて、私は逆に安心しています。“安心”なんて言葉を使うと不謹慎かもしれませんが、受験生がこの時期に不安を覚えることはむしろ自然なことであり、「安心」していいのです。
確かに、不安を喚起させるきっかけはいくらでもあるでしょう。そして、物事が順調に進んでいる時ほど、こうした「不安」が頭を過ぎるものです。つまり、「不安」を感じたら、それは順調に来ている証拠だと考えればいいのです。要は、“努力なくして不安なし”です。つまり「不安」と「努力」とは同時に存在しているのです。
まず私は、生徒たちの「不安」に耳を傾けます。そして、そのことが現実にはまだ起きていないことを本人に気づかせます。次に、「不安」を作り出したきっかけをひとまず脇に置いておき、今までやってきた努力を思い出させます。「夏期講習であれほど頑張った」「毎日こんなに自習に来て勉強している」など。つまり、生徒の取り組んだ事実(努力)にフォーカスする(焦点を合わせる)のです。そして、改めて「不安」を作りだしたきっかけを見てみます。そして…。
最後に私は言います。『努力をしたら必ずその分の結果がついてくる。大丈夫!』
私は、生徒たちに受験勉強を通して、こうした心を磨くトレーニングもしてもらいたいと考えています。これから先、どんなに大きな「不安」に苛まれても、自分の力でその不安を跳ね返すことができる真の強さを。
それが稲門学舎の教育理念「未来を担う人材を育成する」ことの一環につながると信じています。