『教わる側から教える側へ』
稲門学舎の教師陣は、大きく分けると2種類に分類されます。
現役難関大学生(Aコース)と、プロ・社会人(Sコース)です。
プロ・社会人(Sコース)教師の強みは、豊富な指導経験や合格実績に裏打ちされたその指導力です。
一方、現役難関大学生(Aコース)教師の強みは、教師自身が経験してきたその成功体験に基づいた指導力といえます。
そして、今年も卒業生の中から数人が、稲門学舎の新人教師として4月からデビューします。
つい先日まで、「○○君」「○○さん」と呼ばれていた生徒たちが、4月からは「○○先生」と、同じ教室で今度は生徒たちから呼ばれるようになるわけです。
もちろん、稲門学舎の卒業生だからというだけで、彼らは稲門学舎の教師になれたわけではありません。他の教師同様、個別指導教師としての適性検査や、教師採用試験に合格したから教師になれたのです。
彼らに限らず、教師の第一歩を踏み出すときは、誰もが初心者です。
教えてみてわかることは、自分で勉強をすることと、人に勉強を教えることとはまったく違うということです。
自分の頭でわかっていることでも、相手にそれをわかりやすく説明するためには、まずそのことを教える側がより深く理解し、そして言葉を噛み砕いて説明する必要があります。
また、相手が、どこがわかっていないかを理解する洞察力や、少しでも自信を引き出すために褒めて伸ばすコミュニケーション力も欠かせません。
そういった、様々な視点に立って生徒の学力向上を目指し、サポートすることが個別指導教師には要求されるのです。
さて、4月から「教わる側」から「教える側」へと変身する彼らは、どうでしょうか?
まず、彼らに共通して言えることは、始めのほうにも書いた「大学合格という成功体験」を経験し終えたばかりという点です。
「自分はこういうやり方で勉強をして、合格した」という実体験を、生の声で生徒たちに届けることができるという強みがあります。
そしてもう一つは、彼ら一人一人が、容易に合格を手にしたわけではないという点です。
成績が思うように上がらず、思い悩んでいた彼ら。
不安にとりつかれ、自信をなくしていた彼ら。
力を発揮できず、もがき苦しんでいた彼ら。
迷いながらも、目の前の課題に必死で取り組んでいた彼ら。
そんな彼らの姿を間近に見てきたからこそ、これから彼らが担当するであろう生徒たちの勉強に関する苦しみやつらさがわかってあげられることが強みです。
そして、担任制の個別指導塾で教わってきたからこそ培われた「生徒の気持ち」を、すでに理解している長所もあります。
以前、大学生の「お兄さん」「お姉さん」に勉強を教わっていた小学生が、「先生と同じ大学を目指して、稲門学舎で先生になる!」と夢を語ってくれたことがありました。
その小学生に限らず、担当の先生に影響を受け、または触発されて、将来への新たな目標を持つことができた、という生徒は、実は少なくないのです。
稲門学舎で教師を始める卒業生たちのほとんどが、担当してくれていた教師の影響を少なからず受けているのも事実です。
教師たちの生き生きとした姿が、生徒たちの自身の将来像に与える力は、思う以上に大きいのかもしれません。
「教わる側」から「教える側」へ。
彼らの、更なる人間的な成長を見守っていくことが、これからの楽しみの一つでもあります。