『「未熟な自分」を受け止めよう!』
夏休みも終わり、多くの受験生が本格的な受験モードに突入していることと思います。
8月終盤に受けた模擬試験の結果も、そろそろ戻ってきている頃でしょう。
模擬試験の結果を見て、自信をつけている人。
その調子です。そのまま迷わず、前を向いて突き進んでください。
模擬試験の結果を見て、自信を喪失している人。
その調子です。目の前の結果をよーく見据えて、次の一歩を踏み出してください。
返却された模擬試験の帳票には、良くも悪くも「まだまだ足らない自分」が映し出されているはずです。
そこで、これから大切なことを言います。
「未熟な自分」をしっかりと受け止めてください!!
「受け止める」とは、どういうことか?
「分かっていたのに、うっかりミスをしてしまった」
「もう少し時間があれば、全問正解していたのに」
「問題文をよく読んでいれば、もっとできていたはずだ」
これ、すべて言い訳ですね。これでは、結果を受け止めたことにはなりません。
正解が出せなかった、得点することができなかった自分の「未熟さ」を認めることが、「(結果を)受け止める」ということです。
そして、同じ間違いをしないように気をつけて、次にはできるようにしていくだけです。
また、現状が「未熟」だからといって、落ち込むことはありません。
今のあなたは、「未熟」なだけで、「不完全」なわけではないからです。
よく同じような意味で使われる言葉ですが、「未熟」と「不完全」とは違います。
たとえば、偏差値が10上がっても、上がったら上がったで、まだまだ足らないと思うでしょう。用意周到にして入試本番を迎えても、どこか心配なことが最低でも一つは見つかるでしょう。見事、志望校に合格を果たしても、数ヶ月も経てば新しい環境で定期テストを控えて焦っている自分がいるかもしれません。
「不完全」とは、いつか訪れる(手にすることができる)「完全」を目指す過程にある状態のことです。
けれども今見たように、どの時点を切り取ってみても、人は「完全」な状態にはなかなかなれません。「完全」を目指している限り、その時々で、人は常に「不完全」な状態を意識せざるを得ないのです。そのつど、しんどく感じることでしょう。
一方、「未熟」とは、「未だ熟していない」状態のことをいいます。
勉強を続けていれば、必ず「熟す」時はやってきます。
その「熟した状態」で入試本番を迎えるようにすればよいのです。
「完全」を目指すと、人は今をつらく感じます。
なぜなら、「完全」とは、手の届かないほど遠くに感じる地点だからです。
けれども、「熟した」地点へ向かって続けていくことはつらいことではありません。
なぜなら、続けてさえいれば必ず「機が熟す」からです。
ことば遊びのようですが、言葉というのはとても大切です。
人にエネルギーややる気を、与えも奪いもすることができます。
今のあなたは、「不完全」なわけではない。
今のあなたは、「熟す」時に向かって、じわじわ成長している「未だ熟していない」状態にあるだけなのです。
今はまだ、「未熟な自分」を噛み締めながら、それでも立ち止まることなく、あきらめず、前に一歩ずつ踏み出していってください。
続けてさえいれば、必ず「熟します」。
それを信じることが大切です。