『「原因」と「結果」の法則』
みなさんは、「原因と結果の法則」って聞いたことがありますか?
過去に起きたこと、あるいは今起きている状況は、必ずその元となっている「原因」があり、したがって起きてしまったこと(起きていること)は、起こるべくして起きている、つまり「偶然」ではなく「必然」である、という法則です。
ごく当たり前のことを言っているように思えますし、言われてみれば理解はできる。
けれど、これがこと今置かれている自分の状況となると、なかなかこの法則に当てはめて考えるのが難しいのですね。
勉強や成績についての悩みはどうでしょう。
入塾説明会に来ていただいた生徒さんと親御さんに、
「なぜ、塾に通うことを考えたのですか?」
と質問すると、大半は「成績(または、テストの点数)が下がったから」という回答が返ってきます。
そういう方々には、次にこう質問します。
「普段、どのくらい勉強していますか?」
すると、たいていの生徒さんは、「学校から宿題が出たときだけ」だったり、「テストの1~2週間前だけ」といった答えが返ってきます(なかには、テスト前になってもまったく勉強しない、という“勇者?”もいます)。
さらに、「テスト直前に勉強するだけで、準備万端でテストに臨めていますか?」と聞くと、ほとんどは、「時間が足らなくなる」「苦手な教科はあきらめる(捨てる)」などといった答えが返ってきます。
みなさん、もう、おわかりですね。
「成績(テストの点数)が下がった」(結果)のは、「勉強時間(テスト前の準備)が足らなかった」(原因)という“原因と結果の法則”が成り立っているのです。
ならば、「結果」(成績)を変えるには、その元となっている「原因」(勉強時間)を変えるしか方法はありません。
さらに言うと、テスト直前の詰め込み勉強では、時間が足らなくなり、十分な準備もできないというのであれば、その「テスト直前の勉強」を助けるための勉強を普段から行えばよいのです。
しかし、そうは言ってもそれがなかなかできないから困っている、という方も多いでしょう。部活があったり、習い事があったりと、毎日復習や予習をする時間なんて取れない、といった理由ではないでしょうか。
であれば、復習や予習といった時間のかかる勉強など、はじめから考えるのはやめましょう。机に座って、“ちゃんと”した勉強をやろうと身構えるから、挫折するのです。
要は、“テスト直前の勉強を助けるための勉強”ができればよいのです。
具体的には、その日、学校でやった内容を“声に出して読む勉強法”をしてください(「勉強の時間がなかなか取れない」人のオススメ勉強法/2011年10月号を参照してください)。
声に出して読むだけですから、机に座る必要もない。時間も1教科10分もあれば終わります。あとは、それを毎日繰り返すだけ。
「毎日、続けられるかどうか不安・・・」という人は、成績を上げることをあきらめてください。いくら塾に通って、先生に教わったところで、「原因」である「勉強時間を変える」ことをしなければ、「結果」である「成績(テストの点数)」は絶対に変わることはありません。
厳しいことを言うようですが、それくらいの努力をしなければ、望む「結果」は得られないということです。
勉強というのは、結果だけを求めるものではなく、そこにいたるプロセスを試行錯誤しながら、求める結果に近づいていく、そのトレーニングをする機会だとも言えます。
自分の目標(結果)を実現するには、今この瞬間(原因)をどのように行動すればよいのか?
子供たちには、勉強を通して、それを考えて行動できる力を身につけさせたいと、いつも考えています。