『中学受験』

 
   2月は、1年間の中で一番緊張感が高まる月。2月1日から始まった中学受験は、王子校として迎える2回目の受験でしたが、昨年に引き続き2012年も、挑戦した生徒全員が合格を勝ち取り、進学先を決めました。おめでとうございます。

合格した生徒たちには共通点がありますが、12月以降、およそ2ヶ月間の受験対策を振り返ってみて私が感じたことを、2つのポイントにしぼって、皆さんにお伝えしたいと思います。

                                     その1:過去問演習
 
この時期の演習と言えば、もちろん志望校の『過去問』です。合格のために必要のない知識は省いて、出題傾向をとにかく体に染み込ませるために、どの生徒にも4~5回は、『過去問』を演習させました。本番同様に、時間もきっちり計ります。回数を重ねるごとに、点数も上がり、解く時間も早くなります。「答えを覚えてしまっている問題もあるのではないか?」という心配も一理ありますが、「感覚をつかむ」という意味においては有効です。1冊の同じテキストを4回も5回も解く機会は、滅多にないですよね。特に算数においては、同じ『過去問』を100点が取れるまで解く効果はあります。ただし、闇雲に解きまくって終わりかと言うと、そうではありません。答えが合っていても、解き方のプロセスが違っていたら×です。生徒に解説させて、しっかり理解できていると判断して初めて○を付けます。ですから、演習2回目のマル付けには、初回以上に気を遣います。本当に理解した上で書いている答えなのかどうか?ということを常に考えながら採点します。また、宿題については、ひとりでも進められる計算問題などの“作業系”の課題とし、授業で扱う内容はじっくり考えて解く文章題のような“思考系”の課題というように、自宅と塾での勉強内容を分けたこともポイントです。

 
                                      その2:生活リズム

12月下旬になると学校は冬休みに入り、時間の制約がなくなります。感覚も、「夜型」になりがちです。「早起きしなくて済むから、たくさん寝られる!」これが落とし穴です。冬休みに入っても、生活リズムを変えないことです。「朝寝坊して受けられる中学受験」なんてありませんよね(笑)。起床時間は重要です。稲門学舎の【冬期講習会】の1限は、朝8時30分から開講ですが、今年の受験生は、朝一で教室に来て勉強していたのも特徴です。これは6年生だけではなく、稲門学舎全体として言えることですが、1限(8:30-10:30)の時間帯を希望した生徒が一番多かったというデータも印象的でした。

この2つのポイント、一見簡単なことのように感じますが、今年の6年生は、こういった「当たり前こと」が実に徹底されていました。それは、彼らが志望校に合格するという明確な目標を持って、受験勉強に取り組んでくれた成果だと思います。いまの5年生にも、お手本となるような受験のお手伝いができたことを、私自身も嬉しく思い、そして生徒たちが頼もしくも感じられた、今年の中学受験でした。
 
 
 

 

 

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