『スマホ世代の受験!』
皆さんは携帯電話をお持ちですか?では、お子様はいかがでしょう?
2011年10月31日に発表された「青少年のインターネット利用環境に関する実態調査結果」によると、小学生約2割・中学生約5割・高校生9割強が携帯電話・PHSを有し、中高生ではスマートフォンの保有者も一部見受けられるなど、興味深い内容となっています。
1年過ぎた現在では、スマートフォンを持っている学生の割合は更に上昇していると推測されます。私もスマートフォンを使用していますが、PCのように簡単に情報を手に入れられる便利さや、アプリを取り込むことで得られる様々なゲーム性、コミュニケーション手段の幅広さに感動しつつ、一方でその危険性を感じています。
実は、教室でも保護者の方から「スマホ中毒」になっている生徒の相談をよく受けるのです。
「部屋でも居間でも携帯電話ばかり触っている。」
「勉強していると思ったら、すぐ携帯電話を触りだして友達と連絡を取り合っている。
集中できるはずがない。」
「夜遅くまで携帯でドラマや映画の動画を見続けていて、朝なかなか起きない。」
これだけ見る限りでも、勉強に悪影響を与えているのは間違いないでしょう。
ほんの数年前までは、上記のような携帯電話の使い方をしていると月々のパケット代金が恐ろしいほど高額になってしまうので、親がそれを理由に使用を制限できていました。
しかしインターネット環境がどんどん整備され、スピードも上がり、スマートフォンが普及して携帯会社がそれに合わせた料金プランを設定していったことで、お金をそこまでかけなくても、PCで見られる動画などが簡単に見られるようになりました。また、「LINE」に代表されるような無料アプリがどんどん浸透し、子供たちがタダで通話をし続けられるようになってしまい、親が子供の携帯使用状況に介入できなくなってしまいました。
没収したところで、親子関係が険悪になるくらいで勉強してくれるわけでもありません。
むしろ、友達と「つながっている」感覚を失い、軽いパニックになる子どももいるくらいです。
私が現場で、そういう生徒達とどう向き合っているかというと、
「『すぐにメールの返信をしないと友達から嫌われるかもしれない。』と言うけど、あなたとその友達の関係性は、そんなに壊れやすいものなの?あなたは一生そうやって、何かに怯えながら、不安を抱えながら生きていきたいの?」
「あなたの将来は、その携帯電話の中にあるの?携帯電話をいじっていて、あなたの夢は叶えられるの?携帯電話は、あなたの生活を養ってくれるの?」
という具合です。
文字にしてみると少し乱暴に見えるかもしれませんが、これくらい伝えてようやく、お母さんと「携帯電話使用の約束」を決めてくれます。
どんどん便利な世の中になり、モノや情報が簡単に手に入るようになりましたが、生きていくことは今も昔もそう簡単ではありません。思い通りにいかないことも多々あります。
それを最初に教えてくれ、障害となってくれるのが勉強であり「受験」なのです。
そういった意味で、学歴主義とは違った視点で「受験」の重要性が見直され始めてくるかもしれませんね。