『いつの日か今日を』

『いつの日か今日を』

皆様こんにちは。
今年も終わりと始まりの季節がやってきました。

塾にとって、いえ私にとって、この春という季節は、どの時期よりも心を揺さぶられる季節となります。合格の喜び、不合格の悲しみは当然のことですが、今まで毎日のように教室に通って会話をしてくれていた生徒達と会えなくなる、これは本当に寂しいものです。

今年は中学3年生と高校3年生の受験生が非常に多く、たくさんの笑顔とたくさんの涙に触れました。たくさんの言葉を交わして、握手をしても、その手を離す時は来るのです。

その手は離さなければなりません。なぜなら今、生徒達が次の舞台に進む時だからです。
この手も離さなければなりません。なぜなら、この手を必要として下さる方が、(本当に有り難いことに)待ってくれているからです。

2月の中旬、受験生のSさん親子と面談をしたときのことです。
Sさんは、本命前の併願受験で、思い通りの結果を出せず、本当に悲しみと苦しみの中にいました。「今までの人生で一番苦しい。」と語ってくれました。
帰り際に私は、Sさん本人と一緒に来てくれたお母様に言いました。

「いつの日か、この辛い日々を、『あの時は本っ当に辛かったね。何回も泣いたね。』と
笑顔で語り合える日が必ず来ますから。もう少し、あともう少し、よろしくお願いします。」

お母様は、目に涙を浮かべながらも、笑顔で「本当に、そうなれるように頑張ります。」と言って下さいました。

そして、「いつの日か」はやってきました。3月7日、親子一緒に合格報告に来て下さった時、面談室に入る時点でお母様の目は真っ赤でした。あの時の言葉を実現できたのです。Sさん本人は本当に晴れやかな笑顔で、その目は既に未来を見据えていました。

受験は誰の闘いなのか?
生徒本人の闘いであることは間違いありませんが、同じく、いえもしかしたらそれ以上に親の闘いでもあるのです。そして教師としての私の闘いでもあります。

「人はあらゆるものに勝つわけにはいかない。人はいつか、どこかの場面で必ず負ける。その必要がある」という言葉を聞いたことがあります。

この言葉の意味・深みを十分に理解できているとは言えない私ですが、皆さんとともに闘い続けます。
受験という闘いを通して、生徒の成長が必ずあると信じているからです。

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