『趣味の話』

「趣味」を見つけると、自分の世界が広がります。

最近、私は趣味として『御朱印集め』を始めました。
「御朱印」とは、神社や寺院が行っている参拝者向けのスタンプのようなものです。専用のノートにお寺や神社の御宝印と呼ばれる判子、御本尊の名前、参拝日、お寺や神社の名前を書いてもらうものを総じて御朱印と呼びます。御朱印を集めるために都内各地の社寺をめぐるのです。

きっかけは、来年度の手帳を物色している際に、いろんな種類の御朱印帳が売られているのを見つけ興味を持ったことでした。凝ったデザインのものあり、これをもってあちこちをめぐるのは楽しそうだなと思ったわけです。

そして、それから実際に比較的参拝しやすそうな場所からめぐり始めました。西新井大師、明治神宮、湯島天神など。集め始めると楽しいもので、「次はどこに行こうか?」と御朱印集めの目的が本来のものから行楽に変わったような感じもします。御朱印の本来の目的とは、御朱印は参拝した証ですので、頂く前にお参りしなければならないのです。

この時期にお参りといえば、やはり受験生たちの合格祈願が思い浮かぶでしょうか。自分が現役の時には合格祈願なんて一切せず、神頼みなんてむしろ毛嫌いしていたように思います。「そんなことをする時間があったら机に向かったほうが良い!」と当時は考えていました。

今では自分の中の「お祈り」の意味がだいぶ変わったように感じております。「お祈り」とは、自分の気持ちを切り替えること、つまり、お祈りをしている瞬間、自分が抱えているものから解放される気持ちになる。そうすると、次に何をすればいいか、優先順位がはっきりと見えてくる(ただ、これは自分の習慣なので、実際に生徒たちに「合格祈願に行きなさい」という指導をしているわけでもありませんし、「行く暇があったら勉強しなさい」という指導をしているわけでもありません)。

御朱印集めも、以前はその存在を知らなかったですし、そもそも社寺にそれほど興味を抱いてはいませんでした。祈るだけなら外に出かけなくてもいつでもどこでもできそうな感じもします。ただ、自分(関谷)という人間は、敢えてひと手間かけないと気持ちの整理はつかないものだということが最近分かってきました。つまり、参拝に赴かないと、気持ちの整理もなかなかつかないということです。そんな新たな自分を発見できたことが御朱印集めを楽しくしている理由になっているのでしょう。
趣味は人間を一回り大きくしますね。

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