皆様こんにちは！
6月も後半に入り、教室では夏期講習の準備がスタートしています。
「夏にはこの教材でこんな勉強するからね」という会話が教室のあちこちで起きていますが、今回は、そんな中浮かない顔をしていた高校3年生のＴさんとのお話です。

「受験勉強」というものを頑張れない私がいる。
まだ部活を続けている。朝練だって出ている。今までの定期テストは目標を持って頑張ってこられた。努力のやり方自体を知らないわけじゃない。
でも、大学受験・大学進学に向けて動き出すギアが自分にはない。
だって大学に行くってことは、大好きな同級生や後輩達と別れるってこと。そんな未来を考えながら、望みながら行動する気になれない。
今が楽しい・・・今より楽しい未来が果たして本当にあるのか？

Ｔさんの話には共感できる部分が多くありました。私も同じ想いを抱いたことがあります。それぐらい高校生活は楽しかったです。だからこそ次のように伝えました。

「今より楽しい未来、それはいつかどこかで待っているものではなく、今のあなたが作るものなんだよ。
大学受験や大学での生活を、就職のためとしか考えていないんじゃない？大学は全国から人が集まる。年齢も価値観もバラバラで、出会いの幅が広がり、自分の発見できていなかった可能性や才能に気づくチャンスも広がる。『今より楽しいことがあるのか？』と思えるほど、今が充実しているのは幸せなことだけど、ずっと高校生でいられるわけではないからね。それに未来を考えることは、いつだって今を真剣に生きるためには必要なんじゃないかな？」

「……そうですね、そうですよね。わかります。でも、大学は楽しいとしても、大人になるって楽しいんですか？」

「少なくとも、私は楽しそうじゃない？」

「・・・はい。和田先生は何でそんなに楽しそうなんですか？」

「この仕事が好きだからね。
　Ｔさん。あなたが好きになれる仕事を見つけること、または誰かから与えられた仕事を楽しみ、好きになること、この両方とも十分可能だよ。大切なのは、日々考えること、努力だね」

Ｔさんの「結局それですか？」と言いたげな笑顔がそこにはありました。
つまるところ、それです(笑)。
しかし、Ｔさんが自習で塾に来る日が確実に増えたのでした。