『英単語の覚え方』
新学期を迎えました。
ついこの間まで、やれ部活だ、やれ定期テストだと、身近な課題に取り組むことに心奪われていた高校3年生たち。春期講習では、およそ10ヵ月後に控えた大学入試を意識した勉強を始めました。
その中で、多くの受験生から相談されたことのひとつに、
「英単語が覚えられない(覚えていない)」
という悩みがあります。
代表的な悩みとしては、
・ 単語帳は持っているが、まだ全部覚えきれていない
・ 単語を覚えても、すぐに忘れる
・ 単語帳で英単語を覚えても、長文読解で役に立たない
・ 覚え方がよくわからない
・ ○○大学に合格するためには、どのくらいの単語を覚える必要があるか?
・ どんな単語帳が良いのか?
といったあたりです。
英単語の覚え方には、いろいろあるので、自分のやり方で覚えられるという受験生にはそのままの覚え方を続けるよう言います。反対に、なかなか覚えられないという受験生には、次のようにアドバイスしています。
① 単語帳は、1冊すべて覚えること。
一般的に、大学受験で必要とされる英単語数は、3000以上とかそれ以上などといわれていますが(レベルによる)、問題は数ではありません。市販されている一般的な単語帳ならどれでもいいので、まずは1冊すべて覚えきること。単語の意味が3回正解できたら、その単語は塗りつぶします。そうして、塗りつぶしながら繰り返し覚えていけば、次第になかなか覚えられない単語が限られてくるので、それらを単語カードなどに書き出して覚えれば1冊覚えきることができます。
② 単語は、「発音」と「意味」を覚えるだけでOK
読めない漢字がなかなか覚えられないのと同じで、英単語も読み方がわからないものは記憶に長く留まりません。発音とアクセントを意識しながら、言葉の意味を覚える、これが基本です。スペルは覚えなくて良いのか?と疑問に思うでしょうが、大学受験では、配点の高い長文読解を早く読んで意味をつかむことが最優先課題ですから、極端な話、意味さえ覚えておけばよいのです。(さらに言えば、発音と意味を覚えた単語は、後からスペルも簡単に覚えられます)
③ 「覚えた」つもりにならないこと。
学校や塾(トーモンではターゲットのテストを行っています)で行われる単語テストのために単語を覚えることと、大学入試のために単語を覚えることとは別だということをまずは認識すること。記憶の構造は、「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があります。簡単に言えば、テスト実施の直前に頭に詰め込むのが「短期記憶」。記憶が新鮮なので、すぐに頭の中から出せますが、鮮度が落ちると(時間が経つと)、自然と忘れていきます。一方、「長期記憶」は長期間にわたって何度でも頭の中から取り出せる保存食のようなもので、忘れにくくなります。どうすれば「長期記憶」にできるのか?それは繰り返すことです。単語帳で3回正解した後は、長文や過去問の中でその「単語」に出くわす度に記憶が「上書き保存」されます。そうして7回以上、「上書き保存」されれば、「長期記憶」という保存食の完成です。それが、大学入試のために「覚えた」ことになります。
④ 「自分語訳」で意味を覚える
単語帳で意味を覚えていて、なかなか覚えられない理由の一つに、単語帳に書かれている日本語が頭に入ってこないということがあります。言葉を換えれば、国語力(日本語のボキャブラリー)が不足しているせいでもあります。そんな時は、自分のなじみのある言葉に置き換えて覚えてしまえばよいのです。繰り返すようですが、大学入試で大切なのは、長文読解で意味をつかむこと。自分の言葉で意味がつかめさせすればよいのです。単語帳の意味の欄に、「自分語訳」を書き込んで覚えます。そうすることで、ずっと覚えやすくなるはずです。
英語は、大学入試では合格の要です。センター試験でも、一般入試でも、英語でどれだけ点数が取れるかで勝敗が分かれます。その基本となるのが、単語力。単語力がつくだけで、英語の偏差値は飛躍的に伸びていきます。今から始めても十分間に合います。まずは、単語帳を1冊覚えきること。ここから始めましょう。