『実力テストで自分の学力を知る』
学校の定期テストとは違う、「実力テスト」で自分の学力を知る。
学力を伸ばしていく上で、とても大切なことです。
稲門学舎では、公立中学1年・2年生を対象にした「中学進研テスト」を年間3回、実施しています。
今年度、1回目の「中学進研テスト」を5月25日に行いました。
中学1年生にとっては、中学に入ってからの初めてのテストです。
テストの出題範囲は、「小学校の復習」と、中学で最初に学んだ内容。
英語・数学・国語の3教科を受けてもらいました。
中学2年生にとっては、1年の学年末テスト以来の久々のテストです。
出題範囲は、「1年生の学習領域の復習」が中心。
英語・数学・国語・理科・社会の5教科を受けてもらいました。
そして、そのテスト結果である「個人成績表」が先日、生徒たちに返却されました。
成績表を受け取った生徒たちの表情は・・・一様にみな真剣な表情をしていました。
「個人成績表」には、得点以外にも各教科の偏差値、弱点領域、都立・私立高校の志望校判定などが記載されています。
心の中では、予想していたとおりの結果で安心したのかもしれません。あるいは、思っていた以上に良い結果で、自信を持った生徒もいたことでしょう。反対に、期待していた点数が取れていなくて、がっかりした生徒も中にはいたかもしれません。
定期テストでは良い点数が取れるのに、こうした「実力テスト」ではいつも点数が伸びない。こんな相談をよく受けます。
人間の記憶力には、大きく分けて2通りあり、一つは「短期記憶力」、もう一つは「長期記憶力」です。
「短期記憶力」とは、短期間にできる限りの情報量を頭に詰め込んで、忘れないうちにアウトプットする力のことです。小テストや定期テストといった出題範囲が限定されているテストは、この短期記憶がものをいます。いわゆる「一夜漬け」でどうにかなるのは、この記憶力のおかげです。
一方、「長期記憶力」とは、同じ情報を繰り返し覚えたり使ったりすることで、記憶の層の中に定着させ、必要なときにすぐに頭の中から引き出すことのできる力のことです。自分の名前や住所のように、長期記憶化した情報は、忘れることがありません。
「実力テスト」は、この長期記憶化された情報や問題処理能力を問うテストです。したがって、短期記憶でとどまっていた記憶は、時間の経過とともに薄れていき、定期テストでできた問題も、時間が経って「実力テスト」で聞かれると思い出せない、ということが起きるのです。そして、入試問題というのは、いうまでもなくこの「長期記憶力」が試される場です。
「実力テスト」で、自分の頭の中の「長期記憶」の状態、つまり自分の学力を把握する。
できるだけ早い段階で、このことに気づけた生徒は、勉強に対する向き合い方が変わります。
テストの結果に一喜一憂していても始まりません。自分の「実力」を知っておくこと、そしてそこからどのように勉強すれば効果的かという勉強の“コツ”をつかむこと、それが大切です。
「実力テスト」は、それを得るためにあるのです。