『円周率が3.05より大きいことを証明せよ 』

『円周率が3.05より大きいことを証明せよ 』

 


『円周率が3.05より大きいことを証明せよ』
これは、とある大学の数学の入試問題です。
円周率が3.14であることは小学校で習います。

円周率が3と習った方もいらっしゃいます。
実際には円周率は3.14ではなく3.14159265358979……という延々と不規則に続く小数で構成されます。

そういった知識を覚える事は学びの初歩ではありますが、本当の意味では学ぶことには及びません。
上記の問題は、この本質をついています。
「なぜ、円周率が3.14なのか?」、そして「それがどのようにして発見されたのか?」などを学ぶことが本当の意味で重要です。

余談ですが「円周率が3である」とした時、幾何学的に妙な現象が起こります。
それは、「正六角形の周りの長さ」と、「その外接円の円周の長さ」が“同じになる”という現象です。
実際にはそうでないことを、「円周率が3」と教わった子供たちの中に気が付いた子もいたことでしょう。

当たり前のことに疑問を持てるかどうかが、学力向上の決定的な差になります。
もちろん、そのような疑問を持たなくても、知識を詰め込めば入試に合格することは可能かもしれません。
しかし残念ながら、大学入試や高校入試は人生のゴールではなく、人生のスタートに過ぎません。
疑問を持たない子や、入試そのものが人生のゴールと考えている子は、必ず大学生または大人になってから伸び悩みます。
そして、挫折は遅ければ遅いほど、取り戻すのに時間も労力も必要とします。

日本では、学歴を得るだけですでに何かを成し遂げたような錯覚を覚え、満足してしまうような風潮がまだまだありますが、学歴とは突き詰めれば「学んできた事の経歴」であり、「在籍していた学校名の経歴」ではありません。
大人になれば職歴という言葉がありますが、それは「どのような仕事に携わり、何を達成してきたか」であり、「どこの会社に所属していたか」ではありません。

物事を本質的にとらえる習慣を身に付けているか、はたまた表層的にとらえる習慣にあるか。
年齢が若ければ若いほど、その習慣を変化させることができます。
言葉にするとありふれていますが、稲門学舎に通う生徒たちが、大人になってから自立して生きていくことができるように、導いていく事が教育者の務めであると感じる今日この頃です。

ちなみに冒頭の問題は、東京大学の入試問題です。
「正十二角形の周の長さ」と「その外接円の円周の長さ」とを比較することで証明出来ます。
計算手法を除けば、必要な知識は「余弦定理」という「数学Ⅰ」で学ぶ一つの定理のみです。

私がこれまで見てきた中で、物事を本質的にとらえる習慣を身に付けていると思われる生徒は、中学校3年生で東大の数学入試の二次関数の問題を解くことが出来ました。
また、中学校2年生で東大数学入試の確率の問題を解いた子もおります。
どちらの生徒も『本当の意味での学び』を、幼少時から身に付けてきたと思われる子たちです。
視点を変えれば、これは東大が「知識詰込に時間を費やしてきた受験生」ではなく、「本当の意味での学ぶ力を身に付けている受験生」を欲している、という表れと考えられます。

2学期が始まります。
そして、入試が近づいてきます。
受験勉強も、それ以外の事も、頭をフル回転させて追い込みをかけましょう!




 

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