『約束を守るための工夫』
前回は、『時間を守る』ことの重要性をお話ししましたが、二つ目は『約束を守る』です。
生徒にとっての約束とは、我々講師が出す課題・宿題を、次の授業までにやり切ってくることを指します。1コマ90分の授業が私たちにとって大事な時間であることは当然なのですが、次の授業までの間に、“課題をやり切ってくるか否か”は、授業と同じくらいに大事なことなのです。
例えば、月曜日の授業の生徒が、火曜~日曜まで何もせずにいると、学力は現状維持が精一杯です。講師から教わった内容を自分の物にして、かつ応用できるようになるかどうかは、毎日積み重ねる習慣にかかってきます。
かといって習慣をすぐ改善することは簡単なことではありません。私達大人でもそうであり、その習慣を変える難しさは、イコール生活を変えることだからであると言えます。そこで、私達は生徒達に“自習”を推奨しているのです。
『約束を守る』ためには、どうしても工夫が必要です。自分の授業のない日に通塾して学習習慣を向上させてほしいと思います。私自身、『習慣は人が作るものだが、その習慣によって人が作られるものだ。』と先輩教師に教わったことがあります。
成績アップ三つ目の条件は、『目標を存在させる』ことです。
私たちは、生徒ひとりひとりの授業計画を立て、カリキュラムを組みます。その際、一番大事なポイントはテスト(入試・中間期末・模試等)の日程です。その日から逆算して、“いま何をすべきか”を明確にすることです。そして、その後が大事なのです。最も気をつけなければならないことは、掲げた目標を常に存在させ続ける工夫です。
毎回の授業で、生徒たちに「次の期末テストの目標点数は○○点だよ!!」といった具合に声かけ、そしてノートにも記します。私も、自分のデスクには、今月の生徒達の目標が明記された手帳が開きっぱなしになっています。“目標を存在させ続ける”工夫が自分を後押しするのです。つまり目標とは、『自分との約束』とも言えるでしょう。
ここまでにお伝えした三つの条件『時間を守る』『約束を守る』『目標を存在させる』は、どれも基本的な事ばかりです。当たり前・当然と言えばそれで済んでしまいます。だからこそ、私達はここに“工夫”を取り入れることが必要なのだと思います。それが、生徒達に対する私の『約束』です。