『自習のススメ』

 
   先月・10月号の「10分前登校のススメ」に、たくさんのご感想をお寄せいただき、本当にありがとうございました。皆様からのご意見を元に、生徒の成績を上げ、そして学習習慣を変えるための環境づくりに、教職員一同、日々改善を重ねて参りたいと思います。
 
さて、9月初旬からのおよそ2ヶ月間、「10分前登校」とあわせて、教室一丸となって取り組んできたことの2つ目(先月号の続編)は「自習」です。

                                           その2 ~自習~


  「好きな時に、いつ来ても良いですよ」というような自由参加型ではなく、授業と同じように「決められた曜日・時間には、必ず来ましょう」つまり、習慣型を推奨している稲門学舎の【自習制度】。予めスケジュールが決まってさえいれば、たとえ気分が乗らない日であっても「今日は行かなくてもイィかな…」とはなりません。これが習慣型の大きなメリットです。


ですから、授業がない日であっても生徒たちは教室に来て、担任の先生から出される課題を黙々とこなします。つい先日、王子校在籍生徒の自習出席率の統計を取ったところ、実に82%の生徒が、曜日・時間が固定化されているというデータが表れました。しかし、よく考えてみると、生徒一人で自習課題を進めていれば、必ずどこかで質問や疑問が生じてくるハズです。私たちは、毎晩実施している講師ミーティングにおいて、「【自習制度】を、もう一歩進化させよう」という目的のもとに、話し合いの場を設けることになりました。きっかけは、ある講師からのちょっとした相談でした。
 

    「自習に来ている生徒は、わたしたち(講師)に質問したいことが
      あっても、声をかけにくいのではないでしょうか?」

 
  今年、稲門学舎の講師採用試験を見事に突破し、現在は、多くの中学生を担当しているS先生。昨年までは、大学受験対策で王子校に通っていた“元生徒”です。S先生は中学3年生から稲門に3年以上通っていました。その当時を振り返りながら、自分自身が生徒として受験勉強していた頃の話しを、講師全員の前で語ってくれました。「質問したいけれども、遠慮してしまって、自分からは恥ずかしくて言い出せないこともあった」と。

すかさず、その場に同席していたY先生が応えます。「それでは、生徒からの質問を待つのではなく、こちらから声をかけてあげるのはどうですか?」と。私も、自習監督をすることがありますが、ただ机間巡視しているだけでは、質問は挙がってきません。「質問はありますか?」と尋ねても、「ないです」という返答がほとんどです。しかし、聞き方をほんの少し変えるだけで、質問を引き出すことができます。「今回のテスト範囲で、どこが難しいですか?」すると、どうでしょう。問いかけた生徒のほぼ全員が、遠慮がちではありますが、「○○が分かりません…」と応えてくれます。生徒から質問が出てくるのを待つのではなく、わたしたちが先回りして、それに気付いてあげる必要がある、ということを改めて実感した出来事でした。


そのミーティング以降、


    1.担当講師の近くに、自習生徒の座席を配置する

    2.質問を待つのではなく、こちらから積極的に声をかける

上記2つのことを教室全体で実施していったところ、それまでとは見違えるほどに、生徒たちが机に向かう姿勢が良くなり、私語もほとんど聞かれなくなりました。以前なら、一瞬のスキを狙って携帯をいじっていた生徒や、目を離すとすぐに寝てしまう生徒も、今では自ら進んで質問を持って来るようになりました。まさに、「習慣が変わった!」と言える成功事例です。

 
名著として世界中で読まれている『7つの習慣』という本があるのですが、そこにはこう書かれています。

       「私たちの人格は、繰り返される習慣の結果として育成されるものである。
        習慣によって無意識のうちに生活のパターンが決められ、人格が育成され、
        そして生活そのものが効果的あるいは非効果的なものになってしまう。」


生活パターンを形成するのは、他の誰でもなく自分自身の行動です。生徒の成績を上げることがわたしたちの使命ではありますが、その前に、まず学習習慣を変える。一見、単純なことのようではありますが、成績アップの土台となる、この“原点”に立ち返って、稲門学舎の【自習制度】を、さらに一歩、前進させていこうと思いました。

 
 

 

 

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