『算数嫌いを克服する方法』

『算数嫌いを克服する方法』

 
王子校に通う中学受験生には、ある共通点があります。
それは、算数の苦手な生徒が多いという点です。
今回は、そんな生徒の中で、苦手な算数を克服しつつある生徒(A君)を紹介したいと思います。

A君が稲門学舎に通うことになった理由は、伸び悩んでいる算数の成績を上げて欲しい、ということでした。
最初、授業でまず計算のやり方を解説し、途中式を丁寧に描くよう指導するといったように、まずは丁寧な計算の仕方を身に付けるという計画で進めました。ところが、授業中でも計算の途中で何度も手が止まるうえ、解答はほぼすべて×(不正解)。宿題を課しても、ノートがほとんど白紙の“宿題評価:不可”という状況が続きました。

そこで、図や表を描かせる指導に切り替えてみました。
数を視覚化して、イメージしやすくするためです。

「問題を解く際には、こんなふうに図や表をノートに描いてみよう」
「自分で描いた図をもとに、数を数えてみよう」
このように指導しました。
すると、なんと正答率は100%になったのです。

あまりに上手くいきすぎた感がありますが、それには訳がありました。
A君は、算数が苦手なあまり、数字を見ること自体嫌いになっていたのです。
そのため、数字だけの問題だと、手が止まってしまうのでした。

そこで、問題を「食べ物の絵」に書き換えたり、数を数えるための表を描かせてみると、途端に様子が一変します。とにかく丁寧に描くのです。問題を解く上では関係のないところまで、真剣に描いていました(笑)。
「図や表を描いて、数えてみて」といっても、億劫がって手が進まない生徒も少なからずいる中、A君にとっては反対に描くことよりも計算をすることの方がずっと億劫だったのです。

問題が解けるようになれば、おのずと自信とやる気が芽生えます。
数字とにらめっこしていた時には常に眉間に浮いていた皺が消え、笑顔も増えました。
これまで滞りがちだった宿題もちゃんとやって来るようになりました。

算数の本質は「数を数えること」です。
ところが、数は実体がないので、実体のない物を数えるということは、実は難しいことなのです。それが出来るようになるまでの道のりは人それぞれです。型にはまったやり方ではなかなか先に進めない生徒もいることでしょう。
生徒一人一人の“くせ”と理解度を掌握することができ、なおかつその生徒に合った指導ができる個別指導の良さを改めて感じたエピソードです。

      

 

 

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