『ゼロからのスタート』

『ゼロからのスタート』

4年前、Mくんのお母様は一人で教室にやってきました。何やら思いつめた表情で、こう切り出しました。
「先生、うちの子は数学が本当に苦手で、もう全然だめなんです。テストではいつも10点台で・・・。学校の授業も全く理解できないようで、勉強のやり方もわかっていないんです。私はもう高校受験が心配で心配で・・・」。
Mくんは区立中学の2年生、野球部の練習は熱心で、家に帰るとヘトヘト。勉強どころではなく、中学に入ってからの数学の成績は下がり続け、いつも1。すっかり自信をなくしているということでした。
私は「自信を取り戻すには、ゼロからのスタートになります。」とだけ、お母様に申し上げました。

数学のT先生は、中1からの総復習からスタートしました。ゼロからやり直すことは、生徒の信頼がなければ成り立ちません。T先生は、授業中の解説や重点ポイントを分かりやすく「授業ノート」に書いて、M君が自宅で宿題をやり易いように工夫しました。そのノートには、解説のほかにも色々と励ましの言葉もありました。

すると、Mくんは中1からの内容を毎日コツコツと進め始めました。「授業ノート」も手伝ってか、自宅でも宿題が進むようになりました。そのうちM君は、部活の帰りに教室に寄って自習していくようになりました。

そして、本人の努力が実り、お母様が心配していた高校進学も、彼が志望した都立高校に合格することができました。

その後、苦手科目を得意科目に変えたMくんは、高校でも数学を学習する楽しさを感じ、稲門では数学の勉強に励んでいました。
先日、高3になったM君から教室で「先生!大学の推薦入試で合格をもらえました!」と、笑顔の報告がありました。彼が、本年第一号の稲門の合格報告者になりました。
T先生が、工夫して書き続けた「授業ノート」は、その後改良を加えて、現在は『板書ノート』の名称で、全教師が実践しています。
ゼロからのスタートの賜です。

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